第5話

潮風が少し冷たく吹いていた。
風が冷たくて、アミはようやく目を覚ました。
セシとライカはまだ気を失っていた。

「セシ、起きて！！お城が見えるよ！！」
その声に反応して起きたのはライカの方だった。

「アレは見たことがあります。ロマリア城ですね！」

どうやら三人は、アリアハン大陸のはるか北東、ロマリア半島まで
飛ばされたようだ。

「じゃあ、セシを置いて二人で行っちゃおうか？」

「え？え？置いていくの〜？」
危機感を感じたのだろうか、セシはようやく目を覚ました。

「あ〜、今日は疲れちゃったな。
まだ早いけど、宿でも取って早めに休もっか？」

「さんせ〜！私も、もうクタクタなんだよね」

三人は町の入り口に程近い宿屋へ向かった。

その夜…。

アミは一人宿を抜け出して、町の外で剣の稽古をしていた。

「やっぱり、私が強くならなくっちゃね！」

スタスタスタ…。
聞いた事もない、足音とともに黄色いでかい鳥が現れた！！！

「！！！！！！」

「そう驚くなって。わしだよ」

その鳥に乗っていたのは、なんとレンレンだった。

「レンレン！！先に行っちゃうんだもん。」

「わしは少し行かねばならないとこがある。
やらねばならぬ事もあるし」

そう言うレンレンはどこか遠くを見つめているようだった。
少し不安に駆られてアミはレンレンに聞いた。

「また会えるよね？」

「当たり前だよ」

そう言うとレンレンはまたブイサインを浮かべて、
鳥を走らせた。